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正しいノートの取り方〜小学生編〜
お子さんのノートの中身をチェックしてみたことはありますか?宿題やテストは確認していても、普段お子さんが学校で使っている各教科のノートまではよく見ていないという親御さんは意外と多いようです。ノートは、お子さんの授業に対する理解度を示すバロメーターです。ぜひ一度チェックしてみて下さい。
中には、ノートを開いて唖然としてしまった経験のある方もいるかもしれませんね。ノートは学校に入ったら必ず使うものですが、ノートの取り方を教わる機会は案外ないものです。ノートの正しい取り方を身に着けるとたくさんのメリットがあるので、ぜひ小学生のうちにマスターしておきましょう。今回は、あらゆる学習の基礎となる正しいノートの取り方をご紹介します。
目次
1.「ノートを取る=黒板を書き写すこと」ではない 2.今すぐ実行できる改善ポイント①表紙 3.今すぐ実行できる改善ポイント②日付③余白 4.ノートはきれいでなくてもいい。間違えた部分も残しておこう 5.まとめ「ノートを取る=黒板を書き写すこと」ではない
ノートを取る目的とは何でしょうか。大きく分けて3つあると考えられます。
①記録のため
②練習のため
③考えを深めるため
大切なのは、板書を一字一句漏らさず書き写すことではなく、③につながるノート作りを心がけることです。先生が口頭で説明した教科書の補足事項や、自分が感じたこと、友だちの意見など、できるだけかいつまんで箇条書きで書きとめたり、難しいと感じた部分や疑問点には印をつけたりしておきます。色を使うとわかりやすいですが、多すぎると複雑になるので赤と青の2色程度にします。重要ポイントは赤、注意点や疑問点は青など決まりを作ってすべての科目で統一しましょう。3色ボールペンを使うと、操作も筆箱ももたつかずすっきりしますよ。
あとで見返したときに授業の流れがわかるようなノート作りがベストです。その日の授業の内容をお母さん・お父さんに説明できるようにすることを目標にすると、モチベーションにつながるかもしれませんね。初めからできることではないので、ひとつでも板書以外のことを書けていたら、ほめてあげるようにしましょう。
今すぐ実行できる改善ポイント①表紙
今すぐにでも実行できる改善ポイントをお伝えします。まず、表紙です。小学生だとあらかじめ教科別になっているノートを使うことも多いと思いますが、算数と理科など、マス目が共通のノートを使うこともあるかもしれません。そんな場合、何冊も同じノートがあるとわかりづらく、ノートを取り出すことすらちょっとしたストレスになってしまいます。表紙に自分でわかりやすく大きく科目名を書くのもいいですし、科目のシールを貼るのであればその周りを色ペンで囲むなど、パッと見てすぐにわかるようにしましょう。背表紙にもシールやマスキングテープ等で印をつけると、棚から取り出すときに便利です。さらにはランドセルからも取り出しやすくするために、閉じたノートの上下にカラーペンで印をつけるという荒技も。面倒くさがりの男子には、有効かもしれませんよ。
表紙に必ず書くべきことは、
1.科目名
2.名前
3.学年とクラス
4.何冊目かの数字
これらに加えて、使い始めと使い終わりの月日が書ければベストですが、1~4だけでも十分です。学年とクラスなんて当たり前じゃないか、と思われるかもしれませんが、案外書けていないお子さんも多いのです。まずは表紙をしっかり仕上げるだけでも、見違えるノートになりますよ。できることから、着実にステップアップしていきましょう。
今すぐ実行できる改善ポイント②日付③余白
いよいよ肝心な、ノートの中身です。ここでもまず必ず書くべきことをお伝えします。
1.日付
2.見出し
3.関連するページ数
この3つです。これらのことも、当たり前に書けている子もいれば、書けていない子もいるのです。日付は必ず一番上の部分(国語なら右はじ)に書くようにするとそれだけで後から見返しやすくなるので、もったいないと思わずに次の授業の時には必ず新しいページから書き始めるようにしましょう。ページ数は、教科書の15ページなら「15P」、ドリルなら「ド15P」など、略したり記号を使ったりして簡潔に記します。
そしてノートを取るときに最も重要なのが、余白を多く取ることです。ノートを二分割する使い方を薦められることもあると思いますが、小学生でノートを真っ二つに線で分けても、うまく使いこなせないことの方が多いでしょう。分割しなくてもいいので、違う問題に移るところで一行空けたり、後からメモを書き足せるようにノートの右側(国語なら下の方)を数行分空けるなどして、余白を残すことを意識させるようにしましょう。「どんどんノートを使っていいからね」と声をかけて、ノートを大胆に使うことに慣れていきましょう。
ノートはきれいでなくてもいい。間違えた部分も残しておこう
ノートを全部きれいな字で丁寧に書く必要はありません。お子さんのノートの字の汚さに不満を持つ親御さんはとても多くいます。ですが、ただ板書をきれいに写しているだけでは考えは深まりませんし、いずれはスピードについていけなくなってしまいます。それよりも、重要なポイントだけを選び取り、必要な事柄はプラスしていく練習を積む方が、はるかに深い学びだと言えるでしょう。提出物であればきれいな字の方が印象が良いのは当然ですが、普段のノートであれば字が多少汚くても自分が後から読んで判別できればそれで良いのです。最低限のルールとして、きちんと削った鉛筆で下敷きを敷いて書いていれば、そこまでひどくはならないものです。ただし、漢字を覚えるチャンスを逃してしまうのは非常にもったいないことなので、既習漢字は必ず正確に使うようにしましょう。
また、なるべく消しゴムを使わないこともポイントです。漢字の間違いや計算間違い、解き方を間違えたなど、自分の考え方が間違っていたものに関しては二重線を引いて間違えた部分を残しておくと、同じ間違いをしなくなります。単なる写し間違いなどであれば、もちろんきれいに消してしまって構いません。
このように、ある意味汚いけれど考えた軌跡がしっかり残るノートの取り方をして、それをきちんと見直していくことで理解力が高まり、あと伸びできるのです。
まとめ
正しいノートの取り方を身に着けることは、学生の間だけでなく大人になってからも役立つスキルです。小学生のうちに、できることから始めていくと後で確実に力になっていきます。まずは①表紙を整えて、②授業のたびに必ず日付を書く。③余白をしっかり残して④ひとつでも多く大事だと思ったことをメモしていく。スモールステップでいきましょう。